まず押さえたいポイント
工場の停電対策は、工場全体を何時間動かすかより先に、何を守り、何を安全に止めるかを決めます。通信や制御、保管設備、製造ラインでは、必要な電力も、許容できる停止時間も異なります。
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この記事では、蓄電池の容量を選ぶ前に作る負荷の優先順位表を紹介します。設備の安全に関わる判断は、施設の電気担当者、保安管理の担当者、機械メーカーなどと行い、製造設備に共通する操作手順として扱わないでください。
継続運転・安全停止・復旧準備の3つに分ける
停電時も運転を続けたい設備だけを集めると、安全に停止するために必要な制御電源や連絡手段が漏れることがあります。生産量を維持する目的と、人や設備を守るための目的を分けて整理します。
| 区分 | 検討する設備の例 | 決めること |
|---|---|---|
| 継続したい機能 | 通信、監視、品質維持に必要な設備など | 停止できる時間、必要な出力、必要時間 |
| 安全停止に必要な機能 | 制御、停止処理、データ保存など | 停止完了までの時間と必要電力 |
| 停止してよい機能 | 優先度を下げられる工程や付帯設備など | 停止条件、再起動の許可と順番 |
| 復旧時に必要な機能 | 連絡、状態確認、点検用の設備など | 復旧確認をする担当と手順書 |
この表の設備は検討例です。冷却や換気などは工程によって安全上の重要性が異なるため、名称だけで優先度を決めないでください。停止の影響は現場の工程・材料・設備仕様に基づいて評価します。
設備ごとに、出力と時間と停止許容を記録する
設備台帳から、型番、定格、電源方式、起動時の条件を確認します。定格だけでは実際の運転電力が分からない場合は、適切な方法での測定やメーカー照会が必要です。設備の容量を単純合計した値を、そのまま蓄電池の仕様にしないようにします。
- 設備名、設置場所、管理部署
- 平常時と起動時に必要な電力、単相・三相などの電源条件
- 停電後も必要な時間と、許容できる電源中断
- 同時運転する設備と、運転をずらせる設備
- 安全停止・再起動に必要な担当者と条件
蓄電池があっても無停電とは限りません。中断を許容できない機器は、切替時間や給電品質を含めた対応を確認します。電源方式の違いは、発電機・蓄電池・UPSの使い分けで比較できます。
同時に使う設備と、時間で切り替える設備を分ける
必要なkWhだけ満たしていても、同時使用時の出力が不足すれば計画どおりに動かせません。一方、全設備を同時に動かす想定だけにすると、運用の見直しで減らせる設備量を見落とす場合があります。
停電直後、安全停止が完了した後、長時間停電が続いた場合の3場面に分け、使う設備を時間軸で並べます。必要電力の計算方法は、業務用蓄電池のkW・kWhと必要容量の計算で確認してください。
太陽光を併設する場合も、停電中に使える構成か、天候で出力が変わる中でどう運転するかが必要な確認です。晴天の発電見込みだけを、常時確保できる非常用電源として計上しないでください。
負荷表を、設計依頼書と見積もり条件へ移す
設計会社には、負荷表、既設の受配電設備の図面、設置候補場所、搬入経路、工場の停止可能日を渡します。現地確認前の概算と、条件を調査した後の見積もりを区別してください。
比較する提案は、給電対象、継続時間、切替条件、電気工事の範囲、試験項目をそろえます。価格の項目は、法人蓄電池の工事内訳と運用費の確認表で整理できます。単に同じkWhの製品が載っているだけでは、同じ対策の見積もりとは言えません。
導入後は、設備変更のたびに負荷表を更新する
新しい機械の追加、稼働時間の変更、部署移転があれば、当初の停電対策の前提が変わります。負荷表の更新責任者を決め、改訂日と変更点を残します。
実際の停止・復電時の指示は、施設専用の手順書にまとめます。記載内容は法人の停電・復電手順書に入れる項目で確認できます。訓練は本番設備への影響を評価して計画し、担当者の判断でいきなり電源を落とすような方法は避けてください。
設備計画を確認するときの資料と窓口
設備の仕様書、既存の電気図面、契約書・見積書を照合し、本文のチェック項目を実際の使用条件に置き換えて比較してください。





